約 3,886,912 件
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/12694.html
新羅の原点 イノセント・アルティメット R 光文明 (5) クリーチャー:オリジン/ルナティック・エンペラー 1000+ H・ソウル ■このクリーチャーを、進化クリーチャーとして扱ってもよい。 ■パワーアタッカー+5000 ■W・ブレイカー 作者:焼き鳥 フレーバーテキスト 評価 光文明にパワーアタッカーはおかしいと思う。 -- 名無しさん (2014-05-23 19 35 09) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/phlogiston/pages/585.html
イノセンスキューブ かつて、黎明の時代にて概念適応体すら超越せしめた、とある神が所持していたとされる、白く輝くキューブ。 『黄金の主』の協力の下、造り出されたとされるが、詳細は不明。 願望機と強化、全概念を行使出来るという極めて強力な特性から、神々の中でも極めて弱かったとある一人の神を四界の音階に迫る程のレベルにまで押し上げた程の代物。 しかし、このキューブはとある不慮の事故によって砕け、ありとあらゆる時空、次元、世界に散り散りになったとされる。(また、これを所持していた神はその事故に巻き込まれ、全治三万年の重傷を負ったらしい) 尚、砕けた欠片の一つ一つはそれぞれがかつての特性を秘めてはいるものの、行使出来る力は大分少なくなっている。(精々が所持者の保有する力を多少強化したり、軽く火を起こす程度が関の山) 仮に欠片を全て集めればかつての強大な力を取り戻すだろうが、その全ての欠片を集めることはまず不可能といって間違いはない。
https://w.atwiki.jp/appli/pages/71.html
まめ太郎の日記 分岐など詳しい攻略情報はこちらのブログの2011.06.21 Tueの記事がとても参考になります cautionと書かれた箱 複数同時に出現する場合は一匹倒せば残りも倒したことになる。 組みやすいのは本部のセバスちゃん。通常攻撃も威力は低めで、厄介なところといえばたまに全体攻撃技を使ってくるくらいしかない。スキル攻撃さえガードでやり過ごせば三人で攻撃する余裕もある。 Jn09は6匹同時出現。しかもたまにこちらを回復したりというイロモノ系。単体の攻撃はあまり怖くないが時間がかかるのがネック。 旧ゲートのガーディアンタイプは素早く威力がある二回連続攻撃をしてくるので、スイでも防御にしないとすぐに倒れてしまう。スイを盾に1人が回復、もう1人が攻撃に回りちくちくせめるのがよい。ただし技ではない通常攻撃が一度に二回くるのでスイがどんどん後退してしまう。まめにスイを操作し防御のまま前進させないとアクティブな二人が攻撃されてすぐに倒れてしまう。 どれも長期戦となる。体力と精神の回復アイテムを十分に補充しておかないと粘り負けする可能性もある。 マップデータとアイテム…各マップNoは添付画像に対応 MAP01(isaga01.PNG) Jn14レグナゲード支部B1 左…ライフカプセルS*5 右…携帯調理セット Jn14レグナゲード支部F1 左…メンタルキュアー*2 Jn14レグナゲード支部F2 右上…携帯調理セット 右…メンタルキュアー*2 左下…ライフカプセル*2 MAP02(isaga02.PNG) 地下道 右下…ライフカプセルM*3 左上…エイドエーテルM 右上…DiscS CBLv1 地下道2 左下…リヴァイブポーション 右…メンタルカプセルM*3 地下道3 上…リファレンスユニット MAP03(isaga03.PNG) Jn09レグナゲード支部B1 右…アサシンナイフ ゲートの中…DiscG TB Jn09レグナゲード支部F1 左上…AD TYPE046s Jn09レグナゲード支部F2 右…HCGチタンジャケット Jn09レグナゲード支部F3 右…HCGチタンスーツ 左…DU TYPE311 Jn09レグナゲード支部F4 上…DiscA HW 下…コルナズP42gr MAP04(isaga04.PNG) 坑道F1 上…携帯調理セット 坑道B1 右下…DiscG WB 右…DiscS HALv2 上…メンタルカプセルL 埋没都市1 右…ライフカプセルL*3 埋没都市2 左上の左…シャドウスーツ 左上の上…携帯調理セット 右下…ハイドジャケット MAP05(isaga05.PNG) 要塞ゲート 左下…DiscA SS 右下…携帯調理セット*3 右上…DiscS MT 左上…DiscG RS MAP06(isaga06.PNG) 監獄F1 右上…リファンスユニット 中央…ライフカプセルM*5 監獄F2 右中央…エイドエーテル*2 右上…リヴァイブポ-ション*5 左上…RMエリクサー 左下…リジェネポーション MAP07(isaga07.PNG) レグナゲード本部F1 右上…ライフカプセルL*3 レグナゲード本部F2 右下…フルリヴァイブポーション 左上…フィジカルキュアー*3 右…ソルディスR1004 レグナゲード本部F3 左上…AD TYPE103EW 左下…リゲイナドゥーズ 左上…RMエリクサー レグナゲード本部F4 上…DU TYPE537PB MAP08(isaga08.PNG) 深き秘境の研究所F1B エイドエーテルL*3 深き秘境の研究所F2C DiscS ZD F3C DiscG BB F4B バトルエリクシル F4C RMエリクサー F5 右から2番目→右から1番目→ディスペラード 右から2番目→左から1番目→右から1番目→ガーディアンFと戦闘 MAPs00(ismaps00.PNG) 青導の地F1 左上…バトルエリクシル*3 右上…RMエリクサー*3 左下…リジェネポーション*3 右下…スピリットポーション*3 MAPs01(ismaps01.PNG) 青導の地B1 ロックされた扉の奥…AWツヴァイハンダー ここでは隠し通路の先にあるもの以外のレバーを引くとABF832RX*6と戦闘になる。意味はないフェイクである模様。 MAPs02(ismaps02.PNG) 青導の地B2 上から3番目のワープ先…ランシェイナH705 ここではブロックに進入すると決められた方向に自動的に移動するようになっている。上から3番目のワープ以外は元の場所に戻されるハズレである。そこに行く手順は以下 一番左上のブロックに入り自動的に右に出る そのまま右にある次のブロックに入り自動的にその右に出る 今出た2つ目のブロックの右側から入りなおして(すぐにキャラを左に移動させるということ)自動的に下に出る 十字路を右に進んでブロック(上から2つ目のラインにあるはず)に進入し自動的に右に出る 十字路を下に進んでブロック(上から3つ目のラインにあるはず)に進入し自動的に下に出る 十字路を下に進んでブロック(一番下のラインにあるはず)に進入し自動的に右に出る 次の分岐点を上に進んでブロック(下から2つ目のラインにあるはず)に進入し自動的に右に出る 十字路を上に進んでブロック(上から3番目のワープ先の目の前にあるはず)に進入し自動的に右に出る MAPs03(ismaps03.PNG) 青導の地B3 左上…IDカード ソウシ 真ん中左…AD TYPE000LWG 真ん中右…フルリヴァイブポーション*5 左下…RMエリクサー*5 MAPs04(ismaps04.PNG) 青導の地B4 上…アガトレイノス 中央…ライフカプセルL*10 下…メンタルカプセルL*10
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/1902.html
モンスター:イノセンス イノセンス五十音順・I イノセンスR番号順・R 五十音順 イノセンス + 五十音順 五十音順・I No. 名前 備考 001 アイス・ソウル イベント 002 アイスバット - 003 アイスリザード イベント 004 アシハラガニ 005 アバドン? 006 アブソーブゴイル? 007 アブソーブチェスト? 008 アマードボア 009 アルカウィザード? 010 アルカソードマン イベント 011 アルカナイト? 012 アルベール BOSS 013 アルラウネ イベント 014 アンジュ BOSS 015 イノーガニック? 016 イモータルゴイル? 017 イワーント イベント 018 ヴィゾフニル? 019 ウオント 020 ウドゴレム イベント 021 ウリボア 022 ウルフ 023 エグルーダ 024 エレノッサス 025 エントウルフ 026 オタオタ 027 オタグリ 028 オタゲル 029 オタパプ 030 オタブル 031 オタロングテール? 032 オニノケツゾク? 033 カーカー 034 ガードマン 035 ガードル BOSS 036 037 カクトゥス 038 カモフラウルフ 039 ガルーダ 040 ガルポオオトカゲ 041 ガルムウルフ 042 ギガンテス BOSS 043 ギガンテスR 044 ギガンテスZ BOSS 045 ギガンテスオメガ? BOSS 046 ギガントホーン? 047 キマイラ 048 キャスター 049 ギョギョント? 050 キラートマト? 051 キラービー 052 キングトータス 053 グラスルーダ 054 クラブス 055 クランチメタル 056 グリフィン 057 グレートスピリッツ 058 グレルホルン 059 クロゲコ? 060 ゲコゲコ 061 ケル BOSS 062 063 ゲルゲコ 064 コーラルクラブ 065 ゴールドマンタ? 066 コパン 067 コリュンティス 068 サイノッサス 069 サイボア 070 サソリトカゲ? 071 サラマンダー 072 サンドファング 073 サンドワーム 074 シアン BOSS 075 076 シャープデバイス? 077 シャーント 078 ジャバウォック 079 シュエイ 080 シュエイチョウ 081 シルバーマンタ 082 スティールクラブ? イベント 083 ステレオティス 084 ステレックス? イベント 085 ストーンゴレム 086 スナイパーガラム 087 スナイパーテノス 088 089 スノウトレント 090 セイバードラゴン? 091 センサス? イベント 092 ソブルテン 093 ソルジャーガラム 094 ソルジャーゾンビ 095 096 ソルジャーテノス 097 098 タイラントタス 099 チーフガードマン 100 チトセ BOSS 101 チャコーレント 102 チューパン 103 チュンチュン 104 テイサツヘイ 105 ティターンゴレム? 106 デカパン 107 デザゴイル 108 デスシーカー 109 デストータス? 110 デスハンドクラブ? 111 デスビー 112 デスビーナイツ イベント 113 デスマンタ? 114 トータス 115 ドライアド 116 ドレステブル 117 トレント 118 ネコント 119 ノスフェラゴイル? 120 バサバサ 121 バジリスク 122 ハスタ BOSS 123 124 125 バット 126 パプゲコ 127 ハメツノネガイ? イベント 128 ビー 129 ピーチー 130 ビーナイツ 131 ビーワーカー 132 ビッグバット 133 ヒットマン BOSS 134 ヒポグリフ 135 ヒラリス 136 ファイア・ソウル 137 ブーボア 138 プチプリ 139 ブラックバット イベント 140 ブラッディバット? 141 ブレイドドラゴン? 142 フレイム・ソウル? イベント 143 フレイムバット 144 フレズベルグ? 145 ヘビートータス 146 ベヒモス 147 ヘルサウルス? 148 ヘルハウンド 149 ヘルビーナイツ? 150 ベロ BOSS 151 152 ボーボー 153 ホワイトウルフ 154 マッドアンデッド BOSS 155 マッドゴレム 156 マツロワヌモノ? 157 マティウス? BOSS 158 マンティコア 159 マンドラゴラ 160 ミスティックボア? 161 ミラゴイル 162 ユキンコ? 163 ユニホーンドル 164 ヨウジンボウ BOSS 165 ヨウヘイ? 166 ヨモツシコメ? 167 ラーヴァゴレム 168 ライガー 169 ライガオブライガ? 170 ライガス イベント 171 ライガル 172 ライガン イベント 173 ラティオ BOSS 174 ラティオ BOSS 175 ラティオ BOSS 176 ラティオ BOSS 177 ラティオ BOSS 178 ラフレシアン 179 レヴァアタン? 180 レグヌムガード 181 レグヌムナイト 182 レドゲコ イベント 183 ローボア 184 ロックトレント? 185 ロックワーム イノセンスR + 番号順 番号順・R No. 名前 備考 1 オタオタ 2 バサバサ 3 教団兵? イベント 4 ラビラビ? 5 ウルフ 6 セブンスター 7 ラティオ・エクス? イベント 8 ゲコゲコ 9 ビー 10 ウッズワーム 11 ガラムソルジャー? 12 ガラムハンター? 13 ラティオ・デュナス? イベント 14 ラティオ・テテス? イベント 15 ラティオ・スロネ? イベント 16 エッグベア イベント 17 ファンガス 18 トルチュ? 19 アレニェ? 20 バーズ? 21 プリュム? 22 ネガスィオンデローズ? BOSS 23 ガードハウンド? 24 ホークアイ? 25 レグヌムガード 26 レグヌムハンター? 27 レグヌムアサルト? 28 フェイク 29 ギガンテス BOSS 30 ガードル BOSS 31 ハスタ BOSS 32 ウパルパ? 33 シロゲコ? 34 ビッグバット 35 マーマン 36 ゴーレム 37 シアン BOSS 38 ケル BOSS 39 ベロ BOSS 40 アックスビーク 41 ガルムウルフ 42 ガーゴイル 43 ソルジャー 44 ウィザード 45 用心棒? BOSS 46 アシハラウサギ? 47 ボア 48 エメラルドビートル? 49 グレイブトータス? 50 タランチュラ 51 メルティングポット 52 マミー 53 スケルトン 54 スピリット 55 チトセ BOSS 56 キングクラブ? 57 キラービー 58 サンドワーム 59 ツチゲコ? 60 アースバット 61 ブラウンベア 62 アンバーベール? 63 ライアー? 64 ドレイク 65 サラマンダー 66 ラーヴァゴーレム? 67 ファイア・ソウル 68 ハスタ BOSS 69 ショヴスリ 70 モンストル? 71 アーム? 72 マッキア? 73 マッキア・グラーヴェ? BOSS 74 アダマンバット? イベント 75 アージェントガンナー? 76 教団突撃兵? 77 教団術師? 78 チトセ BOSS 79 教団近衛兵? BOSS 80 ウオウオ? 81 ハーミットクラブ? 82 カーカー 83 ゼリーフィッシュ? 84 ディープダイバー? 85 オイルスライダー? 86 アクアレックス? 87 ポルターガイスト 88 フラワーパターン? 89 ヴェノムインセクト? 90 オレンジグローブ? 91 トビネズミ? 92 トサゲコ? 93 ロックトータス? 94 コカトリス 95 アースドラコ? 96 ナーガ? 97 ガルポオオトカゲ 98 スヴェンドラー? 99 シアン BOSS 100 ケル BOSS 101 ベロ BOSS 102 ロバークラブ? 103 ドードー 104 デスホーネット? 105 ガードル BOSS 106 ギガンテスZ BOSS 107 ヘビヘビ? 108 デスレイブン? 109 ライノッサス? 110 ネペンテス? 111 ヘルハウンド 112 マゴット? 113 ゾンビ 114 ボーンヘッド? 115 マッドアンデッド BOSS 116 ゾンビリターナー? BOSS 117 レグヌムソルジャー? 118 レグヌムシューター? 119 テノスソルジャー? 120 テノスシューター? 121 ギガンテスR 122 ギガンテスR2? BOSS 123 ハスタ BOSS 124 スノーラビット? 125 ホワイトジャッカル? 126 グリズリー 127 アイス・ソウル 128 フロストジャイアント? 129 アイスデーモン? 130 スケルトンウォリアー? 131 テノススティンガー? BOSS 132 ゲートキーパー 133 テノスナイト? 134 テノススナイパー? 135 テノスアサルト? 136 アルベール BOSS 137 クリムゾンレイダー? 138 教団上級突撃兵? 139 教団上級術師? 140 アムルゼス? BOSS 141 バジリスク 142 ドラゴンテール? 143 ライト・ソウル? 144 エデンズキーパー? 145 エンシェントソウル? 146 ラティオ・セラフ? 147 アブルホール? BOSS 148 ヴァルチャー 149 ハチェットビーク 150 アラクネー? 151 グラップラワー 152 テタールデオッド? イベント 153 マッキア・クインディ? イベント 154 マッキア・クワットロ? イベント 155 マッキア・クワランタ? イベント 156 マッキア・セーイ? イベント 157 ベヒーモス? イベント 158 アーマードボア 159 キラータイガー? 160 アルパインビートル? 161 ハイランダー? 162 リビングデッド 163 カワンチャ 164 セレスティアルナイト? BOSS 165 グローリーポット? 166 レジェンドワイバーン? 167 ゴールドゴーレム? 168 キラーゴイル 169 教団特殊兵? 170 教団特殊術師? 171 レグヌムナイト 172 レグヌムスナイパー? 173 シェセプアンク? 174 カラドリウス? 175 ハスタ BOSS 176 ギガンテスΩ? BOSS 177 マティウス? BOSS 178 マティウス・ウェヌス? BOSS 179 絶望を背負いし覇王? BOSS 180 ベック? 181 アベイユ? 182 シュニール? 183 フルール? 184 マッキア・マーゴ? 185 オグルデプール? BOSS 186 ミメシス? 187 プーペ? 188 マッキア・ウーノ? 189 エスクリル? 190 ソルシエ? 191 モルソデイモータリテ? BOSS 192 オワゾー? 193 エール? 194 サングリエ? 195 ディノソル? 196 マッキア・チンクエ? 197 オワゾーデレジャンド? BOSS 198 テタール? 199 グルヌイユ? 200 ミヌレ? 201 シレーヌ? 202 マッキア・グランデ? 203 マッキア・デロワ? BOSS 204 ガルグイユ? 205 カダヴル? 206 スクレット? 207 コシュマール? 208 マッキア・ディエーチ? 209 マッキア・ヴェンティ? 210 ネガスィオンデリス? BOSS 211 コルヌ? 212 ラパン? 213 ルー? 214 コチネレ? 215 ベートデアンシャン? BOSS 216 オンブル? 217 マッキア・ドューエ? 218 ソルダ? 219 ティラール? 220 ゲリエ? 221 メサジェデシエル? BOSS 222 アンセクト? 223 トレゾール? 224 マッキア・トレ? 225 マッキア・トレンタ? 226 シュバリエ? 227 ロテュスデリュイーヌ? BOSS ? 狙撃手? ? アンジュ ? ルカ? ? コープスレギオン? ? ミラ? ? コハク ? ヒスイ? + 五十音順 五十音順 75 アージェントガンナー? 95 アースドラコ? 60 アースバット 158 アーマードボア 71 アーム? 127 アイス・ソウル 129 アイスデーモン? 86 アクアレックス? 46 アシハラウサギ? 74 アダマンバット? イベント 40 アックスビーク 147 アブルホール? BOSS 181 アベイユ? 140 アムルゼス? BOSS 150 アラクネー? 160 アルパインビートル? 136 アルベール BOSS 19 アレニェ? ? アンジュ 222 アンセクト? 62 アンバーベール? 148 ヴァルチャー 44 ウィザード 89 ヴェノムインセクト? 80 ウオウオ? 10 ウッズワーム 32 ウパルパ? 5 ウルフ 193 エール? 189 エスクリル? 16 エッグベア イベント 144 エデンズキーパー? 48 エメラルドビートル? 145 エンシェントソウル? 85 オイルスライダー? 185 オグルデプール? BOSS 1 オタオタ 90 オレンジグローブ? 192 オワゾー? 197 オワゾーデレジャンド? BOSS 216 オンブル? 82 カーカー 42 ガーゴイル 23 ガードハウンド? 30 ガードル BOSS 105 ガードル BOSS 205 カダヴル? 174 カラドリウス? 11 ガラムソルジャー? 12 ガラムハンター? 204 ガルグイユ? 41 ガルムウルフ 97 ガルポオオトカゲ 163 カワンチャ 29 ギガンテス BOSS 176 ギガンテスΩ? BOSS 121 ギガンテスR 122 ギガンテスR2? BOSS 106 ギガンテスZ BOSS 79 教団近衛兵? BOSS 77 教団術師? 139 教団上級術師? 138 教団上級突撃兵? 169 教団特殊兵? 170 教団特殊術師? 76 教団突撃兵? 3 教団兵? イベント 168 キラーゴイル 159 キラータイガー? 57 キラービー 56 キングクラブ? 151 グラップラワー 126 グリズリー 137 クリムゾンレイダー? 199 グルヌイユ? 49 グレイブトータス? 165 グローリーポット? 132 ゲートキーパー 8 ゲコゲコ 220 ゲリエ? 38 ケル BOSS 100 ケル BOSS ? コープスレギオン? 167 ゴールドゴーレム? 36 ゴーレム 94 コカトリス 207 コシュマール? 214 コチネレ? ? コハク 211 コルヌ? 65 サラマンダー 194 サングリエ? 58 サンドワーム 37 シアン BOSS 99 シアン BOSS 173 シェセプアンク? 182 シュニール? 226 シュバリエ? 69 ショヴスリ 201 シレーヌ? 33 シロゲコ? 98 スヴェンドラー? 206 スクレット? 53 スケルトン 130 スケルトンウォリアー? 124 スノーラビット? 54 スピリット 179 絶望を背負いし覇王? BOSS 6 セブンスター 83 ゼリーフィッシュ? 164 セレスティアルナイト? BOSS ? 狙撃手? 190 ソルシエ? 43 ソルジャー 218 ソルダ? 113 ゾンビ 116 ゾンビリターナー? BOSS 50 タランチュラ 55 チトセ BOSS 78 チトセ BOSS 59 ツチゲコ? 84 ディープダイバー? 195 ディノソル? 219 ティラール? 104 デスホーネット? 108 デスレイブン? 198 テタール? 152 テタールデオッド? イベント 135 テノスアサルト? 120 テノスシューター? 131 テノススティンガー? BOSS 134 テノススナイパー? 119 テノスソルジャー? 133 テノスナイト? 103 ドードー 92 トサゲコ? 91 トビネズミ? 142 ドラゴンテール? 18 トルチュ? 64 ドレイク 223 トレゾール? 96 ナーガ? 210 ネガスィオンデリス? BOSS 22 ネガスィオンデローズ? BOSS 110 ネペンテス? 20 バーズ? 81 ハーミットクラブ? 161 ハイランダー? 2 バサバサ 141 バジリスク 31 ハスタ BOSS 68 ハスタ BOSS 175 ハスタ BOSS 123 ハスタ BOSS 149 ハチェットビーク 9 ビー ? ヒスイ? 34 ビッグバット 67 ファイア・ソウル 17 ファンガス 187 プーペ? 28 フェイク 61 ブラウンベア 88 フラワーパターン? 21 プリュム? 183 フルール? 128 フロストジャイアント? 215 ベートデアンシャン? BOSS 180 ベック? 157 ベヒーモス? イベント 107 ヘビヘビ? 111 ヘルハウンド 39 ベロ BOSS 101 ベロ BOSS 47 ボア 24 ホークアイ? 114 ボーンヘッド? 87 ポルターガイスト 125 ホワイトジャッカル? 35 マーマン 112 マゴット? 72 マッキア? 188 マッキア・ウーノ? 209 マッキア・ヴェンティ? 153 マッキア・クインディ? イベント 73 マッキア・グラーヴェ? BOSS 202 マッキア・グランデ? 154 マッキア・クワットロ? イベント 155 マッキア・クワランタ? イベント 156 マッキア・セーイ? イベント 196 マッキア・チンクエ? 208 マッキア・ディエーチ? 203 マッキア・デロワ? BOSS 217 マッキア・ドューエ? 224 マッキア・トレ? 225 マッキア・トレンタ? 184 マッキア・マーゴ? 115 マッドアンデッド BOSS 177 マティウス? BOSS 178 マティウス・ウェヌス? BOSS 52 マミー 200 ミヌレ? 186 ミメシス? ? ミラ? 51 メルティングポット 70 モンストル? 221 メサジェデシエル? BOSS 191 モルソデイモータリテ? BOSS 45 用心棒? BOSS 66 ラーヴァゴーレム? 63 ライアー? 143 ライト・ソウル? 109 ライノッサス? 7 ラティオ・エクス? イベント 15 ラティオ・スロネ? イベント 146 ラティオ・セラフ? 14 ラティオ・テテス? イベント 13 ラティオ・デュナス? イベント 212 ラパン? 4 ラビラビ? 162 リビングデッド 213 ルー? ? ルカ? 27 レグヌムアサルト? 25 レグヌムガード 118 レグヌムシューター? 117 レグヌムソルジャー? 172 レグヌムスナイパー? 171 レグヌムナイト 26 レグヌムハンター? 166 レジェンドワイバーン? 93 ロックトータス? 227 ロテュスデリュイーヌ? BOSS 102 ロバークラブ?
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/643.html
私はベースを買った。 この十カ月、私はいつも律と一緒にいて、律といろんなものを共有して……好きなものまで一緒になって。 結局楽器を始めることになったのだ。 初めて律の家に遊びに行った時、律にザ・フーというバンドのDVDを見せてもらった。 その時、ちょっとだけ興味を持った。 というのは嘘だ。 音楽に最初から興味があったわけじゃない。ただ単に、律が好きなら私も、という軽い気持ちだったのだ。 だからこっそり律の音楽雑誌を読んで私も楽器をやろうと思った。 でもギターはなんか目立つから嫌だった。だから悩んだ末にベースを購入したのだ。 私もベースやろうかな、と言った時の律の喜びようと言ったら……。 私の名前を何度も呼んで、抱きついてきた。 あの時の律は、どこか変だった。 喜んでくれるかと思ったけど、律は泣いたのだ。 それがよくわからなかった。 律の部屋で、セッションをした。 あいにくバンドを組んでいない……というか元よりバンドを組むつもりはさらさらなかったので、二人だけでずっと演奏するのが普通だった。 ベースとドラムはリズム隊という一つの括りなので、一応はセッションが可能だった。 『ベースとドラムは一括り』というのは、なんとなく嬉しかった。 律はというと、あまり盛大にドラムを弾けないのが悩みだった。 「隣に迷惑なんだよなあ……音がすごいから」 「ベースも同じだよ。まあただのアパートでセッションすること自体いろいろと間違いなんだけど……」 律はドラムセットのシンバルに触れた。私はベースを担いだまま立っていて、その律の様子を見ていた。 「はあ……やっぱり、軽音サークルに入ったほうがいいのかなあ」 律が溜め息混じりにそう言った。 一瞬喉が詰まった。 「サークル……」 無意識にそう呟いていた。 「澪?」 名前を呼ばれたけど、私は反応できなかった。 サークルに入れば、思いっきり演奏はできるだろう。 防音もなされていないアパートの一室でアンプに繋げてベースを鳴らすのも、勢いよくドラムを叩くのにも限界はある。 他の住民の方に迷惑だし、何より目立ってしまう。 だから、サークルに入れば思う存分演奏はできる。 それはいいことだろう。 でも、私は釈然としなかった。 サークルに入るなんて……。 すでに出来上がっているサークルの輪。どのくらい人数がいるのかわからないけれど、でもすでに四月から十カ月だ。 もうメンバーは仲良くなっているだろう。 そんなすでに出来上がっている仲良しサークルに、今更入るなんてことは私にとって怖くてたまらなかった。 ただでさえ人と話すの苦手なのに、サークルだなんて。 しかもすでに出来上がった仲良しの中に入り込むなんて。 頭の中でサークルに入った私を想像してみる。 でもどうやったってオロオロして、どぎまぎして、律の傍にずっといて……話しかけられたって全然会話は繋がらなくて。 それで皆に呆れられて、嫌な思いさせて、それで一人になっちゃうんだ。 律も、私を放ってサークルの人と――。 律? 律は私と違って、明るくて、友達を簡単に作れて……。 律がサークルの人たちと仲良くやっている姿が浮かんでくる。 それが頭で再生されると、胸が一杯になった。 (……律に嫉妬してるのかな) 私なんかと真逆で、太陽みたいに明るくて、皆を笑顔にする。 だから、律のことを好きな子がいたって不思議じゃない。 律が誰かと仲良くしたりする姿を想像したり、実際律が誰かと仲良さそうにしたり……私にはできないことを平気で律はやってのける。 私はそんな律が、羨ましいと思っているのかもしれない。 だから、こんなにも痛いんだ。 「澪、どうかしたのか?」 律が私に声を掛けた。 私の気持ちも知らないで、呑気に構えて。 なんだよ……。 「なんでもないよ……今日は終わりにしよう」 私はベースを下した。 律は私を見て怪訝な顔をするけど、そうだなと返して立ち上がった。 ■ 夜、律と電話した。 結局律が誘われたバレンタインのお食事会の話題になった。 私は布団に寝転んで、律の声に耳を傾ける。 「食事会、どうしようかな」 「なんでそれを私に言うんだ? 律が自分で決めればいいだろ」 「そうだけど、でも……澪なら、どうする?」 考えてもみない質問だった。 私が律なら、どうするのだろう。 私のことを好きだと言ってくれる子がいて、その子が一緒に食事しませんかと誘ってくる。 でも、どうなんだろう。私は律と一緒にいたいから、断ってしまうかもしれない。 だけどその子の気持ちもありがたいと思ってしまうかも。 いや、私は何を言ってるんだ。 律と一緒にいたいからってのはおかしいだろ。今私は『私が律だったら』の例えを考えているんだ。 私が律だったとしたらの話だ。それなのに律と一緒にいたいからってのはおかしい。 律が二人いることになってしまう。 だとすれば、逃げる理由がなくなる。 だって私が律なら……。 私が律なら、澪と一緒にいたいから断るなんて選択肢はないんじゃないか。 だって律は、友達がたくさんいて。 私みたいに、『律だけ』っていうのがないから。 律は私を特別な奴だと思っていないんじゃないのか。 それが怖くて仕方がない。 随分前に、私のことを特別だと言ってくれた律。 でも、それが今でも続いてるのか。 そう考えると、律じゃない私は何も言えない。 「おい澪ー、寝るなよ」 「寝てないよ」 「じゃあ答えろって。澪ならどうするの?」 私が今ここで何を言えば、律はその子の元へ行かないのだろう。 食事会を断る選択に律を導くことができるんだ? ……馬鹿澪。 そこは律が決めることだって自分で言っておいて。 結局、律のことが好きだというその子の恋路を邪魔しようとしてる。 行けばいいだろって、昼間は言ったくせに。 そう言って、律がそうするって言わなくてよかった。 私は私の発言が一番わけがわからない。 律に断ってほしい。その子との食事を。 そう言うのは、間違いなのかな。 でも、そうしたいんだ。 律に、そっちに行って欲しくないんだ。 「断る、かな」 「……そうか。じゃあ私は、どうしようかな」 律は普通の、波のない普通の声で言った。 私は自分の馬鹿さ加減に呆れる通り越して怒りが高まってきた。 自分勝手すぎるんじゃないのかよ。 私は居た堪れなくなって……本当はもうこれ以上この話はしたくなくて。 何より律がこの話題のことを考えているという事実から目を背けたくて。 「そんなことより、課題やれよ」 「そうだった! じゃあ、電話切るな。また明日」 「ああ……」 私は携帯を枕に叩きつけた。 ……もう、胸が痛くなるばっかりだ。 私はどうにか時間が痛みを消してくれることを願って、さっさと寝た。 私は、どうしたんだ。 律と一緒にいたら、私は変になってるんだ。 律が誰かと仲良くなること。 律とすでに仲のいい誰かがいること。 律のことを好きな誰かがいること。 ……私は、そんな律に嫉妬しているかもしれないこと。 ああもういいや、寝ちゃおう。 そうすれば、また明日律に会えるんだから。 こんな痛みとも、お別れできるはずなんだから。 ■ 2月7日 晴れ 澪に習って日記をつけ始めて、もう一カ月は経つ。 一回も澪は日記を見せてはくれないけど、日記って案外楽しそうだ。 面倒だけど、後で見返したらいろいろと面白そう。 今日、私のことを好きと言ってくれる子がいると友達から聞いた。 複雑な気持ちになった。嬉しいは嬉しいのだけど、応えられそうになかった。 しかもバレンタインに食事に誘われてしまった。 どうしよう。 そしたら澪の奴、行けばいいだろだなんて。 ショックと言えばショックだ。嘘かもしれないけど、でも。 断れって言ってほしかったなあ。 そんなのわがままか。 バレンタイン、澪はどうするのかなあ。 戻|TOP|次
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/649.html
いつも通り大学に行くと、いつも通り律がいた。 「おはよ、澪」 「……おはよう、律」 私は先週、律を突き飛ばして逃げ帰り、そのままだった。 だから律には申し訳ない気持ちで一杯だった。 律も多少は怒ってるんじゃないかって思っていた。 だけど、律はそんなのも忘れたようにケロッと笑っているのだ。 私は拍子抜けすると同時に、優しすぎる律に泣きそうになった。 律は、本当にいつも通りだった。 講義が終わったら、あの子と食事に行くくせに。 そんな兆候も微塵と見せない。 「行こうぜ」 「……うん」 いつも通りのはずだけど、ほんの少しだけ静かだった。 廊下を歩いている間は、全然話さなかった。 講義室に入っても話さない。 私はチラチラと律を見てしまう。律と何度も目が合った。 その度に、恥ずかしくなって目を逸らすのだった。 何を私は緊張してるんだ……。 緊張してるのは、当たり前だ。 私は、今日の内に律に告白するんだ――。 だからこんなにも、落ち着けなくて。 律の方が気になるんだ。 講義の間も、律は比較的普通だった、気がする。 でも、いつもよりそわそわしているように感じた。 律はいつも講義をいい加減に……というよりも、外見だけはあまり真面目ではない空気がある。 頬杖を突いて、いつも眠そうな横顔を見せているからだ。 でも今日は、お気に入りだという黄色のペンでたまにチャカチャカ机を叩いたり…… そしてやっぱり何度も私と目が合うのだった。律も私を気にしてるのかな……。 いつも通りに隣に座っている。 でも、糸がピンと張っているように張り詰めた雰囲気。 講義中だからそりゃ静かなものだけど、でもいつものように穏やかではなかった。 何より体に力が入る。いつものようにちょっと力を抜くようなことができなかったのだ。 私は人差し指のお腹のあたりを親指で何度もさすっているだけしかできなかった。 熱があるんじゃないかと思うほど、額も熱い。 講義は、ノートこそ真面目に取ってみるものの頭にはまるで入らず、教授の言葉は右から左へと通り抜けて行っていた。 ただ頭には、律にどうやって告白しよう。そしてどうやってチョコレートを渡そうかの段取りを決めることだけしかなかった。 ふわふわ時間には、段取り考えてる時点で、もう駄目だと書いたけど。 でも、頭でその状況を思い描かなければ、とてもその時になって言葉など出てきそうもなかった。 実際、律のことを好きだと自覚してから、先ほどの挨拶しかしていない。 今までは、律のことを好きだと思っても、それは恋愛感情ではなく、友達としてだと思ってたんだ。 だから、律のことが恋愛として好きだと自分が知っている状態で律と話すのは、多分もっと緊張する。 口下手になる。 想いなんて、伝わりにくくなってしまう。 私に振り向いてもらいたい。 もしあの子が、律と付き合う気がなくても。 律に、私を好きになってほしいんだ。 だから、頑張るんだ。 精一杯想いを伝えるんだ。 それから、いつものように食堂の窓際の席で、律と一緒に昼食を食べる。 この席で昼食を食べることは暗黙の了解と化していたので、まったく言葉を交わさなくても私たちはここに座り、昼食をとっていた。 それでも、お互いが頑なに喋らない。 だけど、最初に沈黙を破ったのは律だった。 「……澪」 「……何?」 律は、食事会の事もあるからかあんまりお腹を満たすようなものは頼まなかった。 先週と同じハンバーガーだ。しかもそれ一つだけ。 私は突然の呼びかけに、やっぱり声は出なかった。 だけど、律と話せないのも心苦しくはあったので、絞り出すように返事はできた。 「講義終わったら、どうすんの澪は? やっぱり……帰るのか?」 実は『理学部の子』と四時半に噴水で待ち合わせしているのだけど、それは言ってはいけない約束になっている。 特に律には言うなと念を押されているから、なんとか誤魔化さなければいけなかった。 だけど、上手い嘘が思い浮かばなかった。 第一、律の前で酷く緊張しドキドキしているのに、まともな嘘など吐けそうもない。 第一なぜ誰にも言ってはいけないのかよくわからないのだ。 でも一応言われているのだから、言ってはいけないんだろうな。 私はなんとか言葉を捻りだした。 「……帰るよ。律は食事会だし、特にやることもないし」 嘘だ。 しかし、一瞬だけ律は表情を失くした。 でもすぐに笑う。 「そっか。わかった」 寂しそうに目を細めて、ハンバーガーを食べるのを再開した。 私は、どうしようもないけど。 でも嘘をついたことはちょっとだけ申し訳なかった。 後で嘘をついたことは謝るしかない。 問題は、いつチョコレートを渡すかだ……タイミングが全然掴めない。 誰かに物をプレゼントすること自体が、私には慣れないことなのだ。 律には何度も物を渡したことはある。初めてあげたあのオススメの文庫本もそうだ。 だけど今度ばかりは違うんだ。渡すことや、それを言うことによって。 ……関係が崩れちゃうことだってあるんだ。 それが、まだ怖いままで。 想いを伝えるんだって昨日から、何度も意気込んでる。 確かに意気込んではいるのに、でも友達でも親友でもいいから、関係が続くのなら告白なんてしなくてもいいんじゃないかって怖いんだ。 私は、律しかいない。 だから律を失ったら、私はまた一人だ。 ……違う。 一人に戻るのが怖いから、律と関係を崩したいわけじゃないんだ。 純粋に、律と離れたくないよ……。 でも、食事会がどうとか、××さんに恋愛感情がどうとかって話されてから。 もうそんなのが抑えきれなくなって。 このままで私は満足かって、全然そんなことなくて……。 恋人になりたいなって気持ちもどんどん出てきたから。 だからこうして、鞄にチョコレートを潜めている。 どうにかして渡したい。 律に受け取って欲しい。 できるならば、律と付き合いたい。 恋人同士になりたい。 律は私の事、好きじゃないのかもしれない。 たくさんいる友達の中の、一人かもしれない。 だけど、私にとってはたった一人なんだ。 いろんなことを教えてくれたし、私の初めてばっかりの律。 だから特別な律と、もっと特別になりたい。 こんなこと思える相手も、律だけだから。 ■ その日の講義が終わった。 今は四時。これから三十分後に、噴水の前で『理学部の子』と私は話をする。 一体どんな話なのかわからない。想像もできない。 顔も名前も知らない相手と、初対面で何を話すのだろう。 それはずっと疑問だった。 でも、私はもっと不安なことがある。 このままじゃ、律にチョコレートを渡せない。 朝から、渡そう渡そうって思ってるのに。 ふとした瞬間でも、さあ渡すぞって気にはなるのだけど、恥ずかしくて、そして怖くて鞄から取り出せない。 言葉を出そうとしたって、唇の上で彷徨うだけに終わった。 渡したいけど、『渡したい』のままの私。 情けなくて。悔しくて、講義中に何度泣きそうになったかわからない。 結局私は、律にいろんなことを教えてもらったけど、それを返せない臆病者なんだって……。 何が自信を持つために律と口調を似せるだよ。 結局口調だけ変わったって自信も何もついてないじゃないか。 律にだって怖がる。ただ好きだよって言葉が言えないなんて。 たった四文字にいつまで悩んでるんだよって。 昨日まで、詞まで書いてあんなにふわふわしてたのに。 幸福がどうだとか、祈ってたくせに。 今は、もう諦めようかって気さえしてきたのだ。 もういいんじゃないかって。 チョコレートなんて、捨ててしまおうかな。 律が私のこと好きなわけないだろ……。 「澪、じゃあ私行くから」 律が立ち上がって、私に言った。まだ私は椅子に座って、教材を鞄に詰めている途中だった。 律は何食わぬ顔で私を見降ろしていて、私は小さな声で返事するだけしかできなかった。 「う、うん……」 「それと」 律はそれから、目を逸らして頬をかきながら言った。 微妙に頬を染めているのはなんでかわからなかったけど、私は心が全然穏やかじゃなかったのでその表情には何も言えなかった。 「……やっぱり何でもないわ。じゃあな。また後で」 律は手を振って、講義室から出て行った。 私はその後ろ姿を見つめていて、どうしようもなく胸が縛られた。 それを振り払うように、鞄へ教材をしまう行為を再開する。 だけど、やっぱり胸は痛いままだった。 それでいいんだろうか。 あんなにも頑張って、律への想いを込めたチョコレートを作った。 あの時は、初恋が律だって気付いてやたらとふわふわして、よくわからなくて。 嬉しいような、でも気付いてしまった寂しさもあって……。 まるで絡んだ糸みたいに、一体それがどんな風に交わって絡んでいるのか自分でもわからないぐらいぐちゃぐちゃだった。 そんな勢いのまま、今日を迎えてるから。 今になって、怖い。 怖いよ。 失敗したら、律はどこかへ行っちゃうのかな。 私から、遠くに行っちゃうかもしれない。 そんなの、耐えられない。 私は、律が大好きだから。 律がいなきゃ、駄目なのに。 もし律が私から離れちゃったら、どうなるんだろう。 ……やっぱり、告白なんてやめよう。 チョコレートも、どうせ美味しくなんかないだろうし。 律が気に入ってくれるわけがないんだ。 あんなの捨ててしまえばいいんだ。 私が告白しなければ、律は今までみたいに一緒にいてくれるかもしれないんだ。 昨日勇気が出てきたとか意気込んでたくせに……。 土壇場で逃げるなんて。 やっぱり私、駄目な奴だな……。 私は鞄に荷物をしまい終えて、立ち上がった。 時計を見ると、四時五分だった。あと二十五分はある。 中庭へはすぐに到着するけど、遅れて迷惑を掛けるのも申し訳ない。 十五分ぐらいは早く行けばいいかな。 それぐらいなら全然余裕だし、向こうより遅くなるなんてことはないだろう。 私は、講義室を出た。 早く話を終わらせよう。 どんな話かもわからないけれど。 ゆっくりと廊下を歩く。 ……律とあの子は、五時に待ち合わせと言っていた。 一体どこで待ち合わせてるんだろう。噴水前じゃないと思うし、もしどこかのレストランへ行くのならバスか何かを使うのかな。 そうなると大学前のバス停とかかな。 付き合う気はないし、私から奪う気もない? どういう意味か、昨日からずっとわからないままだ。 じゃあ何のために、律と今日の計画を立てたんだろう。 律に告白するためじゃないのか? 律とバレンタインを過ごしたいからじゃないのか? 律にチョコレートを受け取ってほしいからじゃないのかよ。 それなのに、付き合う気もないって。この日の食事会は何のためにあるんだろう。 一日だけ律と一緒に過ごせれば、それで彼女は満足なのだろうか。 名前も顔も知らない。ただ一度だけ電話しただけ。 その電話の声すらも、私には何の情報もくれやしない。 そんな彼女が、これから律と食事会に行く。 やっぱりモヤモヤしてる。 ……律は、五時まで何をしているんだろう。一度家に帰ったりしてるのだろうか。 五時集合なら全然間に合うし。それとも、どこかで時間を潰してたりするのかな。 私は首を振った。 ……律のことは、今はいい。 私はその『理学部の子』と話すことだけ考えてればいいんだ。 私は中庭に出た。 ちょっと歩けば、待ち合わせ場所の噴水だ。 だけど、そこには思いがけない人物がいた。 「……澪?」 「……律?」 そこに立っていたのは、律だった。 ■ 「……澪?」 噴水前で、『理学部の子』に会いに来た私。 でもそこにいたのは、律だった。 「……律?」 私は訳がわからなかった。 今の時刻は、四時十七分。待ち合わせは四時半だった。 もう少しで、あの子はやってくるはずなのに、実際いるのは律。 どういうことなのだろう。 五時に、あの子とどこかで待ち合わせをするんじゃなかったのか? 予想外の展開に、心臓が高鳴り始めた。 律が表情を引きつらせながら私に尋ねてくる。 「……ど、どうしたんだ? 何か用でもあったのか?」 「い、いや……違うんだ」 「じゃあ、なんでここに?」 律自身も、なんで? というように辺りを見回して混乱している様子だった。 私は唇を舐めた。 口の中もカラカラに乾き始める。 やばい、混乱してるぞ私。 「律こそ……なんで、ここにいるんだ?」 私は左手で自分の鞄を撫でていた。 渡せなかったチョコレートが眠っている。 律は後頭部を触りながら返した。 「えっと、ここで待ち合わせしてるんだ、理学部の子とさ。四時半に」 「――えっ?」 なんだって? 私は思わず声をあげてしまった。 聞き取れなかったから声をあげたんじゃない。 律の言った言葉が、どうにも私の考えていた答えと大きく食い違っていたからだ。 私の動作に、律は不思議に思ってか首を傾げる。 「どうしたんだよ?」 「本当に……ここに、四時半?」 「って、私は言われたけれど」 どうなってるんだ? 私は焦りに焦っていた。というよりも、これは焦りというより状況が噛み合わないことに対する混乱だった。 自分の持っている情報と律の情報が噛み合わない。 しかし落ち着こうにも律と突然出会うものだから、心臓が高鳴って落ち着けない。 ドキドキして顔も熱くなって……もう訳がわからない。 落ち着け。 律は、四時半に噴水前で、その理学部の子と待ち合わせだった。 私は、四時半に噴水前で、その理学部の子と待ち合わせだった。 実際そこにいるのは、律じゃないか。 どういうことだ。 第一あの子は言っていた。 『田井中さんとは五時に待ち合わせしているんです』って……でも今律は、四時半にここで待ち合わせしていると確かに言ったのだ。 おかしい。情報がうまく伝わっていないのか? あの子の口調からして確かにきちんと取り決めているように思えたのに。 じゃあ、どうして律はここにいるんだ? 「私も、理学部の子に、四時半にここにきてって言われたんだけど……」 「マジかよ!?」 私の言葉に、律も顔を歪ませた。 「……どうなってんだ?」 それはこっちが聞きたい。というよりも、私と律が『理学部の子』に問い質したいところだ。 どう考えてもおかしいんだ。食い違いなんてものじゃない。 だってあの子は五時に律とどこかで待ち合わせと言ったじゃないか! なのにどうして、四時半にもなっていない噴水で、私の目の前に律がいるんだ! よりにもよって、律だなんて……。 ただでさえ律といるのは自分の胸をドキドキさせる要因であるのに、いざ『理学部の子』と話そうと思って噴水に来てみたら律がいる。 そんな予想もしなかった展開も相まって、もう胸が爆発しそうだった。 お互いが訳がわからないから、やっぱり視線が交錯しあう。 その度に私は、この胸の高鳴りが律に聞こえてやしないか、顔が真っ赤になっているのを悟られてはいないかと冷や冷やしていた。 現実、喉が震えて声も出にくい。 「とりあえず、えっと……? 澪は、四時半にここに来てと言われた」 「う、うん……」 状況確認のためか、律は落ち着いた様子だった。 でも、後頭部を撫でながら喋るのは律の、恥ずかしがったり照れている時の癖でもある。 だけど私は、今律が何を考えているか読めなかった。 律の心を簡単に読めれるのなら苦労なんて何もないのだ。 「私も……ここに四時半に来てと言われたんだ」と律。 「『理学部の子』に?」 「いや、××さんを通してだけど……」 「じゃ、じゃあそこで何か伝言ミスがあったんじゃないか?」 そうとしか考えられない。 つまり、私は『理学部の子』から直接電話をもらった。 しかし、律はその子ではなく××さんから連絡をもらったようだ。 となると、本人ではない××さんの情報の方が間違っている確率が高いんじゃないか。 本人の口からの方が信憑性は高いだろうし……でも、××さんが間違うのかなあ。 律は、息を吐いて言った。 「……ま、まあ待ってようぜ。本人が来ればわかるだろ」 「そ、そうだな……」 私と律は、お互いにぎこちなく笑い合った。 時刻は四時二十五分。 私たちは噴水の縁に、二人分ぐらいの距離を置いて座った。 第二話|TOP|次
https://w.atwiki.jp/sponsoracjapan/pages/836.html
日本テレビ系列 日本テレビ 土曜 日テレ系土曜ドラマ イノセンス 冤罪弁護士 共通事項 基本の放送時間…22 00~22 54 筆頭スポンサーは絨毯の上にカラー表記 2019年1月19日 ♯01(新・22 00~23 09) 1’00”…Aj AJINOMOTO(0’30”=AGF)、Galaxy、Kao、SUZUKI 0’30”…大東建託、suumo、PROMISE、ヘーベルハウス 2019年1月26日 ♯02 1’00”…Galaxy、Kao、SUZUKI、Aj AJINOMOTO 0’30”…ヘーベルハウス、PROMISE、suumo、大東建託 2019年2月2日 ♯03 1’00”…Kao、SUZUKI、Aj AJINOMOTO、Galaxy 0’30”…PROMISE、ヘーベルハウス、大東建託、TRAINING GEAR SIXPAD(PT) 2019年2月9日 ♯04 1’00”…SUZUKI、Aj AJINOMOTO、Galaxy、Kao 0’30”…レイクALSA、大東建託、ヘーベルハウス、PROMISE 2019年2月16日 ♯05 1’00”…Aj AJINOMOTO、Galaxy、Kao、SUZUKI 0’30”…大東建託、レイクALSA、PROMISE、ヘーベルハウス、 2019年2月23日 ♯06 1’00”…Galaxy、Kao、SUZUKI、Aj AJINOMOTO 0’30”…ヘーベルハウス、PROMISE、レイクALSA、大東建託 2019年3月2日 ♯07 1’00”…Kao、SUZUKI、Aj AJINOMOTO、Galaxy 0’30”…PROMISE、ヘーベルハウス、大東建託、TRAINING GEAR SIXPAD(PT) 2019年3月9日 ♯08 1’30”…SUZUKI 1’00”…Aj AJINOMOTO、Galaxy、Kao 0’30”…大東建託、ヘーベルハウス、PROMISE 2019年3月16日 ♯09 1’00”…Aj AJINOMOTO、Galaxy、Kao、SUZUKI 0’30”…大東建託、suumo、PROMISE、ヘーベルハウス 2019年3月23日 ♯10(終) 1’00”…Galaxy、Kao、SUZUKI、Aj AJINOMOTO 0’30”…ヘーベルハウス、PROMISE、suumo、大東建託
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/654.html
目の前にいる律と目が合った。 「澪?」 私はじんわりと頬が熱くなるのを感じた。 「な、なんでもない」 私は目を逸らして、ベースのチューニングの続きを始めた。 律の部屋には、もう慣れていた。 もうここは、私のもう一つの家みたいなものになってしまったから。 律と出会った四月に初めて泊まった。 あれは私が寝てしまったから泊まったとは言えないかもしれないけど、 でもあれ以来何十何百と律の家――正確には律のこの下宿に泊まった。 ほとんど私の下宿に帰らないこともあったぐらいだ。 もうここに移り住もうかと考えているぐらいである。 しかし、パパとママにどう律を紹介しようか。 私は床に座ってペグを捻り、チューナーを見ながらそう考えた。 律はと言えばすでにドラムの調整は終わり、立って私を見ていたり、 最近セッションしている楽譜を頭を抱えながら読んだりしていた。 私はチラチラとそれを見る。 私たちは恋人同士になっても変わらない。 そう思ってたけど……。 実際変わったなあと私は思う。 昨日『した』から、やたらと床は散らかっていて、それを見るだけで私は火が出そうなぐらい恥ずかしくなるのだった。 もし友達のままだったらあんなことはしない。 ああやって、布団の中で抱き合って、キスしたり、名前を呼び合って喘ぐようなことはしないだろう。 それをしたってことは、恋人になってるってことだ。 それは嬉しかった。 律に抱きしめてもらえること。 キスしてくれることも。 私の名前をいっぱい呼んでくれるようになったのも。 好きだって言いあえるのも。 本当に嬉しいことだらけ。 まだ夢なんじゃないかって思うぐらいだから。 私は幸せだった。 「おい、澪ー」 「えっ?」 「いつまでチューニングしてんだよー。早くやろうぜ」 「わ、わかった」 私はペグをすぐに捻って終わらせた。 立ちあがってストラップを肩にかける。 律は座って、軽くスネアを叩いたりバスドラのペダルを実際踏んでみたりした。 私もピックでとりあえず音階を弾いてみたりする。 ハイハットの高さを調節する律。 私はその横顔を、やっぱり何度も見てきた気がすると思った。 ふわふわ時間か。 あれにも書いたなあ。律の横顔。 やっぱり、あんまり変わってないかもな。 私は思わず笑った。 「どしたよ澪」 「いや別に」 「なんだよ気になるだろー?」 「律ってかっこいいなあって」 「ちょっやめろよ……は、恥ずかしいだろ」 律は顔を真っ赤にして、口を尖らせた。 可愛い。 もっといじってやりたいところだったけど、さすがにいいかと思った。 律が落ち着いてから、私たちはセッションした。 楽しかった。 終わった後、私たちは駅前に行ってデートした。 デートとはいっても、やっぱりあんまり変わらなかった。 こうやって笑い合いながら駅前のデパートに行くのも何度もあったし、一緒に歩いたりご飯食べたりするのは経験済みだ。 ただ恋人同士なので、名前が『遊びに行く』から『デートに行く』に変わっただけ。 でも、やっぱり気持ちは後者の方が嬉しかった。 人目はばからず手を繋いで、人の往来の中を歩く。 商店街みたいな感じで、それなりに人が多かった。 「お腹すいたなあ」 律がお腹を撫でたので、私は尋ねた。 「そうだな。何か食べるか?」 「よし食べようぜ。えーと、どこかお店ないかな?」 「ってか律、お金あるのか?」 「ないんだよなあーこれが」 「……仕方ないな、私が払うよ。じゃあ喫茶店でいいんじゃないか?」 「澪と食べれるならどこでもいいや」 こいつは本当に……そういうドキッとする言葉を度々言うなよな。 しかも臆面もなく言うもんだからこっちが気圧されるよ。 しかもその笑顔も。 そんなこと言われたらもう私は……。 律と繋いでる手に、ドキドキして汗かいたかもしれない。 現に心臓はずっと高まりっぱなしだ。 それに加えてさっきの一言で、さらに熱が出る。 あーもう。 「じゃ、じゃあそこでいいんじゃないか?」 恥ずかしさと高揚を隠すために、私は適当な喫茶店を指差した。 レストランなんかよりも安いだろうし、そもそも私はそんな高級なところなど興味なかったのだ。 律と一緒ならどこでもいい。 なら律の負担も私の負担もない、普通の喫茶店がやっぱり良かった。 落ち着けるのが一番いい。 まあ、律と一緒だとドキドキするんだけど……。 その喫茶店内は、あんまり人がいなかった。 私と律は窓際の方の席を選んで、向かい合って座る。 注文を訊きに来たウェイトレスさんに、私は和風ランチ、律は天ぷら定食を頼んだ。 朝からずっと演奏していたのでお腹がすいているのだろう。 律は運ばれてきた水を何度も飲んでいる。二月の寒い時期なのに氷がたくさん入っていた。 「律、そういえば謝っておきたいことがあったんだ」 「何?」 まだあの日……まだバレンタインデーからは五日しか経っていないけれど、私には一つだけ引っかかっていることがあった。 それを謝りたかったのだけど、タイミングもなかったし、 律と恋人として過ごすようになってからはそれを言うべきか少しばかり迷っていた。 恥ずかしいことでもあったし。 私は先週の出来事を思い出しながら、言った。 「先週さ……私、律を突き飛ばしちゃっただろ」 「ああ、あれ。あったなそんなの」 「ごめん……」 あの後帰っちゃったから、ずっと申し訳ないことをしたと思っていた。 「なんだそんなことかよ。全然気にしてないよ」 「でも、やっぱり悪いことしたなあって」 「いいよいいよ。あの時の澪、なんか変だったけどな」 確かに変だった。 あの日の朝は、琴吹さんにやたらと律との関係や、恋愛だとかの話をされた。 だからそういう視点で律のことを意識してしまい、胸がドキドキして、 律とまともに目を合わせたら卒倒してしまいそうなぐらい熱を帯びていた。 実際律と目を合わせて、恥ずかしくって、よくわからない何かで胸が一杯になって。 だから突き飛ばして、走ってしまったのだ。 「本当にごめんな」 「いいけどさ。でも、なんか怒らせちゃったかなあって心配だったんだぜ? もしかしたら澪、私が『理学部の子』と食事会行くことにすごく嫉妬してて、私がオーケーしたから怒ったのかなあとか」 「まあそれは……嫉妬してたけど」 あの時は、その食事会に対してモヤモヤする一方で、でもこのモヤモヤがなんなのかわからなかった。 でも、あの日律を突き飛ばして家に帰った時、律への想いが恋愛感情だと悟って、それからそのモヤモヤの正体がわかったのだった。 だから今なら今までのそういう気持ちがわかる。 それが嫉妬で、それが愛で、それが好きだということも。 「で、なんであんなに変だったの?」 さっき自分で回想したのだけど……。 でも、真剣な眼差しに私は気圧され、正直に全部話した。 「実はあの日さ――……」 それまで、律のことを考えると胸が一杯だったけどそれが何かわからなかったことや、琴吹さんと話したこと。 恋愛感情だとわからない悩みとか。 律の顔を見たらもう爆発しそうで、だから突き飛ばして逃げ帰ったことも。 全て語った。 律は、ストローでコップの氷をカラカラ鳴らしながら唸った。 「へえ、いろいろあったんだな……」 「うう……」 「澪ちゃんは恥ずかしくて私を突き飛ばしたのかー」 「か、からかうなよ。マジだったんだぞ」 あの時の気持ちを思い出すだけで、もう顔から火が出そうだ。 私も冷たい水を飲んだ。 律は白い歯を見せるけれど、少しして首の後ろに片手を回した。 「でも、嬉しいよ。そ、そんな風に悩んでくれてて」 「ば、馬鹿律……結構、辛かったんだからな」 「私もだよ。澪に、食事会行ってくれば? って言われた時は結構ショックだったんだぞ?」 私はドキッとした。 それも謝らなきゃいけなかった。 「それも、ごめん。あれ、照れ隠しなんだ」 面と向かって、行って欲しくないとは言えなかったのだ。 あの時、そうやって面と向かってそういうのは……今でもわからないのだけど。 恥ずかしいという気持ちより『どうして律に行って欲しくないのだろう』という自問の方に頭が傾いていた気がする。 結局それは、律への恋心に発端する気持ちだった。 律は気にしてない装いで、首を振った。 「うんわかってる。澪はそういうこと、人前じゃあんまり言わないもんな」 「言えたらいいんだけどな。でも、やっぱり、恥ずかしいし」 結局私は恥ずかしがり屋など直っていないのだなと思った。 「いいよ。ってか、澪が恥ずかしがり屋じゃなくなったら困るって」 「な、なんでだよ」 「だってからかえないし、澪じゃないもん」 「……っ」 律は笑った。 私はそれに、何も言い返せなかった。馬鹿と言えば、それでよかったのかもしれない。 でも、私自身も、この恥ずかしがり屋を直そうとは少しも思わなかった。 そうすることは、私と律の出会いのきっかけだったそれを失うことになると思ったからだ。 「……でも、恥ずかしがり屋で、人見知りで」 「?」 私は知らず、囁いていた。 「私が、恥ずかしがり屋じゃなかったら……人見知りじゃなかったら。 一人じゃなかったら……律は、私に話しかけてくれなかったんだよな」 切実に、ただ淡々と。 恥ずかしさも何も捨て去って、そう言った。 ほとんど、独白だった。 私の瞳は、ただ透明な水に浮かぶ氷の、真っ白でひび割れた部分だけを見つめていた。 いや、見つめていたのではなく、『そこがただ目に入っているだけ』だった。 私は今、何も見ようとはしていない。 見ようとしているのではなくて、目に入ってきているだけ。 私の思考と意志は、まるで雪崩れ込むように湧きあがる言葉と、そしてただ言葉を発したいだけの口に集中していた。 「私がこんな性格じゃなかったら、律と出会えなかったんだ」 出会えなかったかもしれないことを想像した。 それを考えることは、私にとってどんな恐怖よりも果てしない絶望だった。 もし、律に出会えなかったら。 出会っていなかったとしたら、それがどんなに私を苦しめるのかはもう私自身がわかっていることだった。 「だから、私……この性格でよかったよ」 「澪……」 だけど。 ここで、律の顔を見るぐらい私は成長した。 と伝えたくて、私は律の顔を見た。 律は、確かに恥ずかしそうな顔はしていたけれど、でも、嬉しさで泣きそうな。 よくわからない表情をしていた。 でも、口元が少しだけ吊り上っていたので、やっぱりちょっと喜んでくれたのかなと思った。 「律に、会えてよかった」 それを言いたかった。 もう律には、言いたいことだらけなんだ。 でも、その一言には全部詰まってた。 「私も、澪に会えてよかった」 律も目を逸らさなかった。 そのまま続ける律。 「出会えてよかったって気持ちは、これからもずっと同じだ」 「うん……私一生、律のこと好きでいるよ」 律は私の、初めてをなんでも奪って。 初恋も奪った。 でも、これが『最初』じゃなくて、最初で最後なんだなって思った。 私はずっと、律の事好きでい続ける。 「私もだよ。もうずっと、澪のこと好きでいるからな」 それからおかしくなって、笑った。 面と向かって好き好き言えるの、本当に進歩だ。 だから私はいつまでだって律を好きでいる。 無垢なままで。無邪気なままで。 ■ もっと早く出会っていたかった。 だから、もしパラレルワールドってものがあって。 田井中律と秋山澪が、もっと早く出会っている世界があるなら。 十五歳でも十歳でも……とにかく早く出会ってる世界があるなら。 一緒にいられる時間を大事にしてほしい。 私と律は、以前そう思った。 だけど、今の世界に後悔なんてない。 私たちは偶然にして必然に出会ったのだった。 私と律は、確かに出会うべくして出会っただけ。 こうなるのは、きっと運命だったと思う。 だからどんな世界であろうと、時期は違えど私たちは出会っていたんだ。 小学生時代に、出会う世界もあれば。 中学時代に出会う世界もあっただろう。 高校時代に出会う世界も。 そして、ここは、大学時代に出会う世界だっただけなんだって。 律は前まで、もっと早く出会っていたかったと悲しんでた。 でも今の律は、そんなのあまり考えていないようだった。 むしろ一緒にいることを私たちは素直に喜びあえている。 もっと早く出会っていたかったけれど、でも、こうして私たちは出会えてる。 なら、すでに過ぎ去ったことに嘆いていても仕方ないだろう。 『秋山澪』と『田井中律』が、仲良く青春時代を過ごす。 軽音部を作ったり、学園祭でライブしたり。 それは、別の世界の私と律の役目なんじゃないかな。 だから私と律は――この世界の私と律は。 そんな律と澪とは別の人生を楽しんでるんだ。 もっと早く会えなかったことに嘆くより、会えたことに喜んでるんだ。 会えてよかったと、本当に思うよ。 だから、別の世界の律と澪へ。 仲良くやれよ。 私たちも、仲良くやってるよ。 戻|TOP
https://w.atwiki.jp/mioritsu/pages/642.html
<第二部・登場人物> 秋山澪……N女子大学一年生・第二部の主人公 田井中律……N女子大学一年生 ××……N女子大学一年生・律の友人の一人 曽我部恵……N女子大学二年生・律と澪の高校時代の生徒会長 平沢唯……N女子大学一年生 <第二部> 律と出会って、十か月が経った。 私はバスに乗った。 同じように乗っていく人たちは、大抵私と同じぐらい若い。 イヤホンを耳にしている女の子もいれば、友達と楽しそうに談笑している子たちもいる。 このバスは女子大行きだから、ほとんどの乗客は女の子だった。 おそらく大抵はN女子大の学生だろう。だけど案の定私と交流がある人はいない。 いや、いる方がおかしいのだ。 私は冷えた指先を撫でた。 席は空いていなかったので、仕方なく吊革に捕まる。 片手が吊革を掴むと手を温めることができないので厄介だ。 それも手袋を忘れてしまった今日に限って席が空いていないなんて。 今日の運勢は最悪かもしれなかった。 マフラーに顎をうずめる。お気に入りの白いマフラーだ。 もう冬を感じるようになって二か月余り。 暦は二月。 大学の講義にも慣れきって、友達がたった一人しかいないという状況にも慣れた。 今年度の手帳は埋まりつつあって、それとはもう一月ほどでお別れだ。 手帳にはいろいろお世話になった。 (……寒い) だけどこれでも、もう少しで冬は終わるんだ。 でも、まだ冬は長かった。 ■ 「そういや澪ー、試験の課題終わった?」 「なんだよ律。まさかまだ終わってないのか?」 私たちはいつもの窓際の席で昼食を食べていた。 律はいつもここの麺類は安いんだ言ってうどんだったり蕎麦だったりを食べていたけれど、今日はハンバーガーだった。 どうやら今月はあまりお金がないらしい。さては先週買ったあれか。 律はハンバーガーを手に持ったまま、ちょっと恥ずかしそうに目を逸らす。 「だってさー、フロアタム買ったんだから練習に気合が入っちゃって」 「私だってこの前ワウ買ったんだからな。だけどちゃんと課題したんだぞ」 「なんでバンドメンバーいないのにワウなんだよ!」 「だって欲しかったし。律だってバンド組んですらないのにフロアタムなんて」 「し、仕方ないだろ欲しかったんだし。それでさあ澪」 「なんだ?」 「課題、手伝ってくれないかなーなんて……」 律がハンバーガーを置いて、合掌した。 私は別に怒っているわけじゃないのだけど、とりあえず泣き喚いて懇願してくる律の姿も見てみたい。 なによりここですぐに折れてしまうと私らしくはなかった。 昔はもっと単純だったんだけどなあ。 「自分でやらないと力がつかないだろ? テストもあるんだから」 「だって課題難しいじゃん。あの問題集の答え配らないとはなんて教授だ」 「答え配ると答えだけ見て提出するだけの人が増えちゃうからじゃないか? お前みたいにさ」 「失敬な! 一度でも答え見たことあるかよ私が」 「……ないけど」 「ほら見ろ! 澪がいれば答えなんて必要ないのさ」 「そこに誇ってどうすんだよ」 そんなやり取りをしていたら、私たちのテーブルに誰かが近づいてきた。 「二人とも仲いいわね」 そう言ってやってきたのは、律の友達だった。 確か、××さんと言ったかな。 私も一応、その人の名前だけは知っていた。 律は彼女のことを友達だけどさん付けしていた。どうやらうまい呼び方がないらしい。 律が大学に入って最初に仲良くなったというグループのうちの一人である。 私は彼女……それでなくとも律以外の誰かとは全然仲良くなかった。 だから彼女が話しかけてきたと同時に、さっきまで律に対して威勢を放っていたくせに委縮した。 私は口を閉じて、両手を膝の上に揃えて俯いた。 「何? どうしたの?」 律がハンバーガーを食べながら、その××さんに問うた。 「秋山さんの前じゃあれだから、ちょっと来てくれないかな?」 私の名前が出たので、上を向いた。律はよくわからないという表情で、彼女に連れて行かれてしまった。 連れて行かれたといっても遠くではなく、私に会話が聞こえないぐらいの位置だった。 食堂のほぼ真ん中だ。 私に聞かれたらあれって、どういう意味だろう。 二人は固まって何やら話している。私は食事のことなんかすっかり忘れて、その様子だけを茫然と見つめていた。 律はなぜか照れるように後頭部を手で触っていた。 その様子を見ていて、なんだかズキズキした。 律と出会ってから、こういうことばっかりだな……。 私は箸を持って、すっかり冷めてしまった味噌汁を飲んだ。 ■ 「なんだったんだ、さっきの話?」 午後の講義へ行く途中の廊下で、私は尋ねた。 律は天井を見ながら唸った。 「んー……澪は特に関係ない、けど」 「でも気になるだろ」 気になるんじゃなくて、隠されているような気がして嫌だからだ。 律は私の目をチラッと一瞬だけ見て、唸った後言った。 「いや、なんか……友達の友達に食事に誘われたというか」 律の濁らすような言葉が、少しだけ胸に刺さった。 何かを誤魔化そうとしてるのかな。 「友達の友達? お前の友達じゃないのか?」 「会ったことない人らしいよ。なんか別の学科の人なんだけど……」 「なんでそんな会ったこともない人が食事に律を誘うんだ?」 「……」 律は黙った。 私は気になって仕方なくて。 だけどこれ以上深追いすると、なんか律に踏み込んでるように思われるかもしれなかった。 律が誤魔化すように言ったり、黙ったり間があったりするのは、私にその事を話したくないからなんじゃないのかって。 そんな風に思ってしまった。 だから、これ以上話をするのはやめようかと思った。 律が嫌なら、私はそれをしたくない。 出会ってからずっと、私は律に嫌われたくない一心で動いてきた気がする。 もちろん最近は少しばかり律に突っ込んで話するようにもなったし、律と訓練して言葉遣いも強くなった。 ちょっとだけ律をあしらってみたりでもできる。課題ぐらい自分でやれだとか。 そういう風に律に言えるようになったのは進歩だろうか。 だけどいつだって私は律に嫌われたくなんかないのだ。 「言いたくないなら、いいけど……」 「言っていいの?」 「私に教えられないようなこと?」 午後の講義に向かう人の波。その中にいる私たち二人。 律は、どこか辛そうな表情をしていた。何か良くないことがあったんだろうか。 でもさっき二人で昼食を食べていた時はそんなことなかった。 表情が後ろ暗くなったのは、やっぱり××さんに連れて行かれた後からだと思う。 何か嫌なことでも言われたのか。そんな様子はなかったのに。 「……じゃあ、言うよ」 「うん」 「……私のこと、好きな奴がいるんだって」 「――」 え? 突風が私を吹き抜けるように、冷たい感覚がまず頭を殴った。 それから、じわじわと心の中から水が溢れ出す様にモヤモヤし始める。 お腹のあたりがぐるぐる痛んで、もう頭も痛くなって。どこも痛いだけになった。 だけど、いたって冷静だった。 「そ、そうなんだ……なんて子?」 「理学部の子らしいけど……さっきも言ったけど会ったことはないし、名前も教えてくれないんだ。××さんと同じ高校だったんだって」 ××さんのことはよく知らないけど、私と律とは違う県出身だと言っていたような気がする。 だとすると、やっぱり私と律は『その子』のことを知らないことになるだろう。 「へ、へえ……そうなんだ」 ズキズキ。 「それで?」 「……その理学部の子がさ、今度のバレンタインの食事に誘いたいんだって私を」 律は今度は下を向いて、告げた。長い横髪が律の横顔を隠す。 つまり、その『理学部の子』は律が好き。 バレンタインに食事に誘いたい。 でも話しかけるのは恥ずかしい。 だから高校から一緒の友達である××さんに頼んで、律への気持ちを伝えてもらった……。 そして律とバレンタインに食事をすることも言伝たと。 そういうわけかな。 講義室に辿り着いて、私はドアを開けた。すでに何人か人はいたけど、みんな友達と談笑していて少しばかり騒がしさがある。 まだ一応お昼休みみたいなものだったし、見慣れた光景でもあった。 私と律はいつもの一番前の席に向かって歩む。 「で、なんでそれが私に聞かれちゃまずいんだ?」 「どういうこと?」 私は鞄を机の上に置いて、律に問うた。 「だって言ってたじゃないか。私の前だとあれだからって」 「あー……それは、あれじゃない? 色恋話だし……澪は一応関係ないし」 私はその一言が微妙にショックであった。 律の色恋話に私が無関係。 確かにそうだ。私はただ単に律の友達ってだけだし、家族でも幼馴染でもない。 だから律のプライベートな会話に入り込んだり割り込む権利や理由なんてものは存在しない。 そこは律が決めることだし、私がどうこう口出しする問題じゃないだろう。 じゃあなんでショックなんだ私。 さっきからキリキリと胸が痛むのはなんでだよ。 私は席について鞄を開けた。 律も隣に座る。 鞄の奥を見つめながら、私は言った。 「それで……受けたのか」 一番重要で、聞きたいのはそこだった。 「返答はまだいいってさ……私も、考えたいし」 律はいつになく憂いた表情でそう言った。 律のことを好きな誰かがいる。 それを聞いて律が舞い上がらないのが、せめてもの救いだった。 なんで、律が喜ばないのが救いなんだ? おかしいだろ。自分のこと好きって言ってくれたり、食事に誘ってくれたら喜んじゃうのは当たり前だろ。 律はたまたまそうじゃなかったけど、律のこと好きっていう子がいたら、律は……律は、ちょっとだけ嬉しいんじゃないのか? だけど私は微塵も嬉しくなんかないんだよ。 そこに私は、私自身に対して疑問を抱かずにはいられない。 なんでこんな気持ちになるんだよ。 律が、律を好きな子の誘いにすぐに乗っからなかった。 そこに、喜んでるだなんて……。 無性に、苛立った。 怖かったのかもしれない。 「……行けばいいだろ。せっかくなんだし」 私は、勢いでそう言ってしまった。 ここで行ってほしくないとは、言えなかった。 だけど。 「……本当にそう思ってるのか?」 律の、少しだけ低い声が返ってくる。 私はそれがあまりにも予想外の反応だったので、声をあげて律を見た。 「えっ?」 「……なんでもねーよ」 律はぷいっとそっぽを向いてしまった。 ……なんなんだよ。そうしたいのはこっちなのに。 でも、律は何にも悪いことしてない。 それなのに、なんだか律を責めたい。 ■ 「あ、曽我部さんじゃないかあれ」 その日の講義が終わって廊下を歩いていると、律が声を上げた。 視線の先には、桜ケ丘高校時代に生徒会長をやっていた曽我部さんが確かにいた。 相変わらずだと思うけど、私が高校時代に先輩を見た時より数段綺麗になっている印象だった。 大学生ってこんなにも変わるものなのかな。私はまったく変わっていないなあ。 すれ違い様に、二人は立ち止まった。 「あら、田井中さん」 「どーもっす」 律は知り合いなのかよ。 そう突っ込もうとするけど、人前だから言えなかった。 「澪は知ってるよな。生徒会長やってた曽我部さんだよ」 「……こんにちは」 初対面の人との会話は本当に弱い私だ。 律以外は大抵初対面になるのだけど、人見知りはほとんど直っていない。 少しぐらいそういうの直せるかもと期待して律の口調を真似る特訓を二人で半年ほどしたけど、結局似たような口調になるだけで性格は直らなかった。 しかもその口調を使えるのは律の前だけで、他の人には敬語で接してしまう。 初対面の曽我部さん。私は委縮して緊張した。 でも、一応挨拶だけはできたぞというわずかな達成感はあった。 それだけで達成感なんて本当に弱い。 「こんにちは。えっと……?」 曽我部さんは言いながら首を傾げた。 私の名前がわからない、のだと思う。曽我部さんは律を見た。 律は私を見て一瞬呆れると、私の肩に手を置いた。 「こっちは秋山澪です。私たちと同じ桜高だったんですよ」 「そうなの。じゃあ私の後輩ってわけね」 「……」 喋りたいのに喋れない背徳感。 それは律と出会った最初の頃からひしひしと感じていた。私は喋りたくないわけじゃないんだ。だけど喋りたくなんかないんだ。 私が喋ったって、どうせおどおどして途切れ途切れで……相手に迷惑を掛けちゃうだけだから。 だから極力あんまり話したくないといつも決めているのに。 曽我部さんは私に何も言わずに、律に話しかけた。 「どう? もうすぐテストみたいだけど」 「え? は、はい。まあなんとかやれてますよ」 律は取り繕うような笑いを見せた。 嘘つけ。さっきまで私に困ったように懇願してきたくせに……。 私は苛立ちを感じずにはいられなかった。 「おーい恵! サークル遅れるよ!」 先を歩いていた曽我部さんの友達が、声を上げた。 「あ、ごめーん! それじゃあ二人とも。またね」 「お疲れ様ですー」 律は駆けていく曽我部さんの後ろ姿にそう言った。 私はなんだかそわそわして落ち着かなくなって、何も言わずに胸の前で手を握りしめていた。 初対面とはつくづく相性は悪く、結局変われていない自分の情けなさを痛感するばかりだ。 「はあー、すげーな大学生って」 「……うん」 「大学入って二年であんなに変わるのかねー」 「律は、大学入る前の曽我部さんを知ってるのか?」 知っているかのような口ぶりの律に、私は聞くしかなかった。 律は両手を後頭部に回して、呑気に返す。 「私バスケ部の部長だったからなあ。生徒会室とか行く機会があったんだけど、その時に知り合いになったんだよ」 「あ、そう……」 バスケ部の部長、か。 その話は会った時からよくする。律は快活で元気な、運動神経のよい女の子だ。 バスケをする姿はよく映えるだろう。部長になっても不思議じゃない。 となると部長会議なんかに出てても普通だから、その関係で曽我部さんと知り合いになったんだな。 「私は全然変わってないよなあ、一年なのに」 「そうだな」 「澪は変わったけどな。口調なんて、四月と比べるとさ」 律は無邪気に白い歯を見せる。 もう曽我部さんの話題は終わったのに、なぜかモヤモヤは尾を引いた。 心の中の私は、なんとか振り切って律の言葉についていく。 「口調だけしか変わってないけどな……」 「それでも、強そうに見えるよ」 「見えるだけで、中身は……」 「でも少なくとも、私に対しては前よりも自信持ってくれるじゃん」 それは律に、心を許しているからだ。 律は私を、どんどん崩していく。 今まで頑なに誰かと一緒にいることを拒み続けて、逃げて逃げて逃げまくった私を簡単に捕まえて。 優しい笑顔で、ずっと話しかけてきたのだ。 それが私にとって最初は大変でも、いつからかそれだけが安らぎに変わっていて。 律にだけ、私は……――。 「それより、帰ろうぜ」 「この後は何するんだ?」 「とりあえずセッションだけしない?」 講義を終えてから、律の家で一時間ほど楽器をつつく。 それで六時くらいになって、私はやっと家に帰るのだった。 それが去年の十月ぐらいから続いていた。 「ああ」 ただ今日は、ちょっとだけ乗り気になれなかった。 律のことを好きな子が理学部にいて、その子が律を食事に誘ったこと。 それがバレンタインの日だということ。 私以外の人と、律が以前より知り合いだったこと。 律には、私よりもたくさんの友達がいること。 いろんなことが、引っかかりすぎている。 「行こっか」 「……うん」 こんなこと、なかったのに。 最近律を意識することが、顕著になってきた。 それは。 どういうことか、よくわからないけど。 第一部|TOP|次
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/33451.html
無頼幻獣イノセント・ビャッコ VR 自然文明 (7) クリーチャー:ビーストフォーク/ドリームメイト 5000 ■このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の山札を見る。その中から、名前に《大勇者》または《フィオナ》と書かれたカードを1枚、バトルゾーンに出してもよい。その後、山札をシャッフルする。 ■自分のクリーチャーはすべて、バトルゾーンにある自分のビーストフォークとドリームメイト1体につきパワーを+1000され、「パワード・ブレイカー」を得る。 ■自然の進化クリーチャーを、コストを2少なくし、自分のビーストフォークまたはドリームメイトの上に置いてもよい。 作者:げげろ フレーバーテキスト 森に住まいし勇者たちと夢の担い手たちが手を取り合い、フィオナの森と自然の民を守り、平和へと導く新たな勇者がここに生まれた。 (コメント) 類似した見た目や性質を持つ古参種族xハイブリッド種族の構想の一環で考えたクリーチャーその3。 とにかくフィオナ愛を詰め込みたかったぼくのかんがえたさいきょうのフィオナカード() 能力により自身のビーストフォークやドリームメイトを種として、《森夢龍 フィオナ・フォレスト》や《護りの角フィオナ》 或いは《大勇者》と付く進化ビーストフォークが踏み倒せます。 カード指定であるため《Dの森域 フィオナ・ザ・ハート》も問題なくバトルゾーンへ出すことが可能。 進化クリーチャーのコスト低減には制限がないため、パワードブレイカー持ちの大勇者「大地の猛攻」を連発したりも可。 評価 名前 コメント